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手押しかんな盤

手押しかんな盤の基礎

手押しかんな盤インバータ化

ジョインタ(手押しかんな盤)の刃

手押しかんな盤の刃の交換

 

 

 

 

 

 

 

 


[手押しかんな盤の基礎] 
  2006.11.27
ぼちぼちと工具を紹介してゆきます。

周知のことを紹介しますので、ご存知の方は飛ばしてください。

木工品を製作するには、板材、柱材の組み合わせとなりますが、この柱材は必ず直角が出ていなければ、精度良く組み立てることができません。そのために、この直角を作るのが、手押しかんな盤および自動かんな盤と呼ばれるものです。

加工の基本となる「手押しかんな盤」を紹介します。

工具というより木工機械ですね。右一番上、すみません、ちょっとぼけています。機械は前後分かれたテーブルがあり、その真ん中にかんな刃があります。

かんな刃の高さは後テーブル(左側)と同じ高さです。つまり、前後テーブルの高さの差だけ木は削れます。テーブルの上に垂直に立っているのがフェンスです(後述)。

右中、裏側から見たところ

白いダイアルが見えますが、これでフェンスの位置と角度を変更します。右一番下が前テーブル側から見たところ。テーブルの下の丸いハンドルで前テーブルの高さを上下します。同様に向こう側にも後テーブルが上下できるハンドルがあります。前テーブルの上下は切削代、後テーブルはかんな刃との高さあわせに使用します。

 

 

1.第1基準面を作る

材料を下に押し付けながら手で前方に押すことにより、テーブルに押し付けた面(第1基準面と呼びます)が平になります。ねじれやそりが出ている場合は、無理やり押し付けるのではなく、木の形状に合わせて何回も削ってゆくことにより、初めて平らになります。

長物の場合は歩留まりが悪くなりますので、予め所定の寸法に切断しておくことで効率良い木取りをすることができます。

 

2.第2基準面を作る

次に上記第1基準面の隣に第2基準面を作りますが、これはフェンス角度を90度にし、先ほど削った第1基準

面をこのフェンスに押し付けながら(決して手を緩めてはいけません)テーブル面を削ります。こうすることで、第1基準面に直角な第2基準面ができあがります。これで2面完成です。

フェンスは自由に角度を変えられるため、都度90度をチェックしておく必要があります。

フェンスが90度になっていなければ、90度には切削できませんから。

(実際にはフェンスが90度でも90度に削れない場合もありますので、事前のチェックも必要です)

 

3.次に残り2面を直角に作りますが、これには「自動かんな盤」を使用します。






[手押しかんな盤のインバータ化] 
2008.11.27
手押しかんな盤について補足説明です。(ミスがありましたので一部修正しました)

一般的な木工機械の動力は3相モータを使用しています。本手押しかんな盤も例外でなく3相1.5kWのモータです。私の場合は、陶芸用の窯のために時間帯別電灯契約つまり、単相3線式15kVA で契約しています。これについては、過去の「工房」を見ていただければいいかと思います。ちなみに時間帯別電灯については、別資料Woodworking_Shop を参照下さい。

 

ですからこのモータを回すためには、単相200V 電源から3相200Vを作る必要があり、このためにインバータを設置しています。木工機械はこの他に自動かんな盤、旋盤があり、これらを一台のインバータで運転できるように切替SW、コンタクタで選択できる回路を作っています。

これがインバータと周辺回路で、このインバータは3.7kW 用です。
インバータは起動電流も押さえることができますので、容量次第では普通の従量電灯(一般家庭の契約)から

でも3相モータを回せることが可能になる場合もあります。電源で困っている方は一考の価値はあります。

また、私の工房は住宅街にあるため周りへの機械の騒音をできるだけ抑える必要があります。

そのために現在は九州なので60Hz ですが、インバータの出力を50Hz に設定し、モータの回転数を5/6 に抑

えることで騒音をかなり低減しています。

 

 

[ジョインタ(手押しかんな盤)の刃] 2008.10.06
                                              ↑TOP

雑誌WOODISSUE 168)からの紹介です。

アメリカの8" ジョインタの削れ具合を比較しています。2006 年のテストですので、今は変わってきてると思いますのでサンプルと言うことで紹介します。

使用したジョインタは、Craftsman 21703Delta 37-350AGrizzly G0593Jet JJ-8CSPowermatic PJ-882Shopfox W1705Sunhill CT-240LYorkcraft YC-8J の8機種と、アメリカで販売されている殆どのマシンを網羅しています。被切削材はハードメープルです。これを手動で、1秒当たり1 インチの速度で送り、その結果の削り面の具合を見ています。

まずは、各々のメーカの刃の説明をします。大きく分けて4種類の刃があります。

 

1.ストレート刃

CraftsmanDeltaJetPowermatic

殆どがこの従来タイプで、材質はハイス、かんな胴には120 度毎にストレート刃が取り付けられている。

 

 

 

 

 

 

2.スパイラルの板状刃

Sunhill

刃を長さ方向で3分割し、しかもスパイラルとした。ストレートに比べ、切れ味がベター

 

 

 

 

 

3.スパイラル四角チップ刃

GrizzlyShop Fox

小さな四角のチップ刃をスパイラル状に4列に並べたもの。超硬のためハイスに比べ長切れする。

 

 

 

 

 

4.スパイラル四角R

Yorkcraft

上に似ているが、刃先にわずか10度のR が付いたアーチ状をしており、またかんな胴には6列配置している。

 

 

 

 

右の表が切削テスト結果です。画像は、削ったあとに青いチョークを塗っています。やり方は判りませんが、同一面は同じ青色になるとお思い下さい。これからすると、2.の3分割板刃が一番良さそうですが、これは特殊ですね。

研磨もスパイラルになっていては難しそうですし、入手も困難でしょう。またやはり普通のスパイラルはスジが付くのですね。4.のR が付いた刃ならそれが改善されていますが、これを使っているのはYorkcraft だけであり、入手が困難でしょう。

私ならやはり1.のストレート刃です。

さあ、皆さんはどう判断しますか?

 

 



[手押しかんな盤の刃の交換] 2010.01.06 
                                             ↑TOP

私 の手押しかんな盤は太洋のHSP-300です。うたい文句は「定磐に吸い付く」と 言われていますが、使ってみるとまさにその通りで、すばらしい手押しかんな盤です。

  ところでForestさんがAxminster(兼 用機)の刃の交換に悪戦苦闘していたようなので、私の場合を紹介します。というのもforestさんも同じやり方でできるのではないかと言う提案です。

  太洋のHSP-300の 場合、3枚 刃でフリーの状態では刃は刃の下に埋められたバネで押し上げられています。このあたりの構造もAxminsterと同じようです。ですから、刃の高さをそろえるために、刃の上に押し付けるものがあればそれを基準に後はナットを締め付けるだけで固定 されます。forestさんはこの押し付け部が弱いためにいろいろ苦戦なさっ てます。

  具体的なやり方は以下の写真の通り です。
イメージ 1

 

紫 色のものは定盤に当たる面が半分が磁石で半分はアルミでできています。またこの磁石は相当強く、一旦定盤に置くと手で取ろうと思って もなかなか外せません。外すにはコツが必要です。それほど強いです。半分をアルミにしているのは刃の先を当てても刃先を傷つけ無いと いう理由です。

  磁石3個 のうち右の一つは、かんな胴の回転を固定させている(ロック)だけで す。刃の高さを合わせている磁石は左の二つです。このように後面テーブルに磁石を置くと、磁石のアルミ部は後面テーブルの高さと同じ になり、刃は下からバネにより突き上げられているため、あとはナットを締め付け刃を固定するだけで非常に簡単に調整可能です。

  ということで、forestさ ん、この磁石があれば非常に簡単に精度良く交換 ができると思いますが如何でしょう。

  ちなみに自動かんな盤の場合はもっ と簡単で、刃の両端に押し付けストッパがあり、これのストッパ位置に刃を持って行くだけで高さを合 わせられますので、後は締め付けるだけです。これは以前UPしていましたが削 除してしまいましたので、またいつかUPします。

 Rev.1以 下追記
ところでオフコーポレイションからOTOROブランドのツール が動画で紹介されていますが、この中の

1. アジャスタブルフェンス 
これは面白そうです。スライド蟻だから、テーパにしたいけど、フェンスのフェンスを細工すればできるかな。あと、この 微調の精度(平行度)の実力が知りたいです。0.1mmを調整できるなら、精 度はそれ以下ということでしょうが、本当にそこまで出るのでしょうか?もし出るなら欲しいです。

 

2. チェアシートビット
イスの座面の荒削りですが、これは非常に危険な使い方です。良くこんな動画をUPす るものですね。皆さん、このような使い方は決して真似しないように。
どこが悪いか分かりますよね。
基準が無い使い方なんです。ルータを使うには必ず基準面を設け、その基準をルータ本体にあて、しっかりホールドしてそ の基準面が変わらないように移動させる。これが基本ですが、この動画の場合、基準面が有りません。掘れば掘るほど、どんどん掘れてし まいます。ですから、キックバックが常に発生する可能性を秘めています。手で持っていて、もしキックバックが起きたならば、・・・
想像するだけでもゾッとします。

 

動 画のURLを 載せようかと思いましたが、紹介するみたいなのでやめました。
見たい方はチェアシートビットで検索してみて下さい。


                         

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 コ メ ント(18

おーこれ知りたかったんだよねー中古ばかりで説明書無いからねー
磨に出そうと思ってるが付け方難しいから 

2010/1/26() 午後 5:25 [kobo-yuu]

 

超グッドタイミングな記事、ありがとうございます!

何故か、もう既に手元に磁石があるのですよフフフ。。6個ですが。

後ろからバネで押すタイプは欧米では割とポピュラーなようですが、太洋もこのタイプなのですね。太洋のバネの強さはどれくらいですか?機構上、斜めに押し下げるせいもあると思いますが、ウチのはかなりキツいです。

治具の打診していただいているようでありがとうございます。単体で入手できて、磁力がウチの英国娘より強ければ、一気に解決ですね。 

2010/1/26() 午後 6:23 [ forest ]

 

雄さん、構造が違うと思うけど、もし同じなら使えるね。 

2010/1/26() 午後 9:16 [ toshim ]

 

forestさん、参考になってよかったです。
でも、磁石がすでに6個もあるって、どういうこと?何用?
太洋のばねはどうなんでしょう。押し込むと入りますので、そんなに強いものではないと思いますが。まあ強い場合でも、この磁石ならバネの強さも関係無い位、磁石は強力です。見積もりが来たら連絡します。 

2010/1/26() 午後 9:20 [ toshim ]

 

半分アルミの磁石は専用品として売られているのですか。
それとも汎用品ですか。
チェアーシートビット見てきました。ビット出代を僅かにすれば、のほほんさんのアイデア球面トリマー利用の分と同様大丈夫そうですが、間違ってビットを出し過ぎると怖いですね。私はエグリカッターでやっていますので当面は必要ありません(この方が怖い?笑)。 

2010/1/26() 午後 11:17 [isuakira]

 

板が上を通る機械なのですね、板の抑えは手でしょうか?
大工さんの工場で 板厚を設定したら 差し込めば勝手に鉋がかかるというかんな盤を秋に使いました。 

2010/1/27() 午前 2:53 [ 香芽 ]

 


isuakira
さん、論理的には相ですが、わずか出すと言う行為を誰も保証できません。もし、出しすぎていたら、責任は当然自分ですが、そうさせた動画にも責任が有りますよ。エグリカッタもねえ。基準が無いものはいずれも恐ろしいです。

磁石はどこで売られているか、市販品かどうかもわかりません。今見積もりを取っています。isuakiraさんも欲しいですか? 

2010/1/27() 午後 3:46 [ toshim ]

 

香芽さん、その通りです。手で押さえていたの下面をかんな掛けします。
秋に使われたものは、板の上面が削れる「自動かんな盤」ですね。 

2010/1/27() 午後 3:48 [ toshim ]

 

どう使うものかあまり分かりませんが、最後の方の「想像するだけでもゾッとします」で、私もゾッとしました>< お〜こわ。。便利な分、使い方を間違うと恐ろしいことになるんでしょうね。
関係ないですが、中学の時に友達がミシンの針を指に突き刺していたのを思い出しました。。ちゃんと押さえをおろしていなくて、指が針の下へはいったらしいです>< 

2010/1/27() 午後 4:09 [みずな]

 

みずなさん、木工機械に限らず工具や道具は言われるように使い方を間違えると危険がいっぱいです。
ミシンの話、なんだか想像するだけでこれも怖いですね。思わずイタタタ-ッって言いましたよ。 

2010/1/27() 午後 4:52 [ toshim ]

 

このタイプのドラムの替刃作業は、精度の良いスパナを使って慎重に行ってください。私もすっぽ抜けて骨に達する裂傷を負いました。幸い筋肉に平行に切ったので大事にはいたりませんでした。あとで機械屋に言うと、私も経験済みと、凄い傷跡を見せてくれました。先に言えよ!!

また、回転中は指もズッポリ入りますので要注意です。桑原の場合、安全第一でオフセットした位置で締めうようになっていますし、ドラムの凹凸も最小限で、最悪の事態は免れるようになっています。 

2010/1/27() 午後 6:28 [ kirra ] 

 

コメントありがとうございます、kirraさん、
アドバイス感謝します。まだ一度しかやったことはありませんが、その時は何も無く無事でした。注意しながら慎重に作業することにします。
桑原、いいですねえ。横から見た、オイルの辺りも格好良いです(笑) 

2010/1/27() 午後 7:14 [ toshim ]

 

ここのコメント欄読んでるだけで、尾てい骨の辺りからぞわわわ〜っとなりました。当該作業については安全対策を少しまじめに考えてみたいと思います。 

2010/1/27() 午後 7:32 [ forest ]

 


forest
さん、確かに刃と並行にナットを回すので、滑ったらひとたまりも無いですね。刃から離れることができれば良いのでしょうが。
あるいは、刃にカバーを掛ける、これも難しそうですね。
何か手がありますか? 

2010/1/27() 午後 7:54 [ toshim ]

 

スパナの差し込みを確認すること、上か水平方向で締め付けること。そうすれば大丈夫です。しかし、運命的に危険な構造で、相当の血を吸ってきたのでしょう。現在の機械は全て桑原タイプだと思います。チューカ、替刃式だったら問題ないんですが。 

2010/1/28() 午前 8:37 [ kirra ]

 


キラさん、再度ありがとうございます。
一度桑原のものを見てみたいです。
forest
さんが100均のカバーをテスト的にやっていますが、私もこのようなものを考えてみたいと思います。
http://woodwork.cocolog-nifty.com/woodwork/2010/01/post-6e69.html 

2010/1/28() 午前 11:30 [ toshim 

 

うちの鉋盤は大井鉄工のものですが、刃を締めるボルトはわりあい刃先から離れています(大洋や桑原のものとは構造が違う?)。それでも安全とボルトの損傷などを避けるために、スパナではなくラチェット式ボックスレンチを使用しています。
OTORO
のチェアシートビットのデモは私も見ましたが、あれは非常に危険で、絶対にやってはいけません。個人のHPならともかく最大手の通信販売会社としては、なにかあったら賠償問題・裁判沙汰になるかもしれませんね。 

2010/1/30() 午後 6:02 [ 木工房オーツー:大江進 ]

 

大江さん、ボックスのラチェットですか。この機種にはちょっと使えそうにありません。
チェアシートビット、私もそう思います。責任問題にも発展しそうな危険な内容ですね。 

2010/1/30() 午後 6:09 [ toshim ]

                                                                                                                                  

                                                                                                          

 

 

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