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自動かんな盤(2種類の構造比較)  2008.12.16

自動かんな盤の構造イメージ図です。

イメージ 1

上が、一般の日本のメーカによる木工機械である、自動一面かんな盤の構造図です。
下が、雑誌WOODに載っていた、一般的なPlanerの構造図です。

イメージ 2

このイメージが以下です。

イメージ 3

ちなみにここでは、日本の木工機械を自動かんな盤、外国のローエンドの物をPlaner と呼びます。
私はPlaner を持っていないので、この雑誌を信用して話を進めます。もし、構造がこのような物の他に有りましたら教えて下さい。

 

上記の双方のイメージ図を比べると明らかに違いますね。
部品は自動鉋盤の方が多いです。多い部品は、
1.送りローラの下部ロール
2.チップブレーカ
3.プレッシャバー
(4).入側ローラが二組有る場合があります。

 

で送りローラについては、置いといて、上記2.および3.が無いのは切削肌を保つ上で非常に重要な欠点と言わざる得ません。簡単に説明します。

 

手鉋を想像して下さい。鉋刃の部分を裏から見た時に、鉋屑が通る隙間がありますが、この隙間を刃口と言いますね。刃口の隙間は、台直しを重ねて行くとどんどん開いて行きます。この刃口の隙間が開くと、抑えが効かなくなり、逆目掘れが止まらない一つの要因ともなります。ですからこの隙間が開いてきた場合刃口を埋め、新たな隙間に作りかえます。

 

さて、話を自動かんな盤に戻します。この刃口の抑えに相当するのが、カッター胴(刃)の前後に有る、チップブレーカとプレッシャバーなんです。ですから、刃との隙間はできるだけ無くし、板を暴れなく押さえ込む機能と言えます。でも、カッターの回転速度が手鉋と全く違いますので、自動かんな盤の場合は、この隙間は5mm前後に設定されています。

 

さて、上のPlanerのイメージ図には、このチップブレーカとプレッシャバーがありません。ということは、刃口がむちゃくちゃに広がった手鉋と言えるでしょうか。これでは、止まるべき逆目掘れも止まらなくて当たり前と思います。また後述のスナイプに関しても苦しい状況となると思います。

 

自動かんな盤の基本調整は、上記イメージ図の下の図です。つまり、送材が無い状態では、カッター胴(刃)の下死点と同じレベルにプレッシャバーの位置を合わせ、それより、若干下げた位置に、入側ロータ、出側ローラ、チップブレーカをセットします。切削中は、切削量により、入側ローラとチップブレーカは、材料で上に押し上げられ(バネで抑えています)た状態で切削します。また刃先の下死点とプレッシャバー、出側ローラは同レベルとなります。

 

Planerの場合はどうなるのでしょう。
刃の下死点と出側ローラを同じ高さとし、入り側ローラを若干下げた調整と仮定します。一般にPlaner の場合はカッターヘッドロックという機構が備わっていますが、この機構を想像しますと、ウオームもしくは角ネジ等でヘッド部が上下しますので、そのネジのバックラッシュ分は切削中(特に材料の始めと終わり)に上下すると言うことでしょうか。カッターロックはこのバックラッシュをなくす機能なのでしょうか?カッターヘッドロックの機能についてご存じの方は教えて下さい。

 

もう一つ双方の違いを発見しました。自動かんな盤は、カッター胴が完全に固定されていて、上下に動きません。上下するのは下部テーブルなんです。それに引き替え、Planer の方は、下部テーブルが固定でカッター部が上下する機構ですね。カッター部が動く動かないというのは決定的な違いですね。

 

スナイプとは、材料のはじめと終わりの部分5cm位の長さに渡って、一様に薄く削り取られる症状です。スナイプは切削中の刃が上下に動かず、刃の前後でしっかり材料が上下に動かないように固定されていれば発生しません。Planerの場合は、入側ローラが抜けた時に、刃から後はフリーに成るため、材料の送り状態に掛かる応力次第では、材料が後だけ浮いたりする場合に発生します。材料の入れ始めの材料の先端でも同じようになる可能性があります。ですから、常に材料をテーブル面からどの位置でも浮かさないように送ることができれば、スナイプ防止の一つの方策にもなり得ます。

 

その点、自動かんな盤の場合は、チップブレーカと刃の距離が先の説明の様に5mm前後であり、材料は最後までしっかりチップブレーカで抑えられている状況となるため、またカッター胴は上記の様に完全に固定されており、スナイプは非常に少ないと言えますが、入側や出側の下部ローラの調整が悪い(出過ぎ)と、材料が下部ローラを抜けた時に、材料のレベル位置が変わり、そのポイントだけが若干深くえぐれる症状になる場合が有ります。

 

スナイプ防止のための策として、送材のテクニックですが、たーじぃさんのコメントを借りれば、材料を入れる時はまっすぐ挿入し、取り出す時には、先を若干持ち上げるようにすることで、減少できるとのことです。以上Rev.4 2008.12.16

 

何が言いたいのか自分でも判らなくなってきました。適当に読んで下さい(笑)。

 

Rev.1 2008.12.16 forestさんのエントリにより以下追記
チップブレーカと言う言葉は、日本で言う裏金のことと言うことだそうです。なるほど。

 

Rev.2 2008.12.16 acanthogobiusさんのコメントにより下記追記
上に書いたPlaner の構造ですが、これはローエンドクラスの外国物の構造であり、ハイエンドクラスは日本の本格的な木工機械同様、チップブレーカやプレッシャバーも有り、構造的には同等だそうですので、上の2種類は、日本物と外国物と言う読み方ではなく、2種類の構造の比較と言う理解でお願いします。

 

Rev.3 2008.12.16 大江さんのコメントにより以下の調整基準を追記(コメントをそのまま掲載させてもらいました)
刃の位置が0とすると入側ロールとチップブレーカーはマイナス(下方に)0.2mm、プレッシャーバーはプラス(上方に)0.02mm、出側ロールはマイナス0.02mmくらいを目安に調整しています。下方の前後のロールは材料が動く範囲内で極力小さくします。

 

 

 

 

 

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